【3月2日 AFP】一卵性双生児のマイラ・レゼンデ(Myra Rezende)さんとソフィア・アルバカーク(Sofia Albuquerck)さんは、いつも何をするのも一緒だった。性別適合手術を2人で受けることにした時もそうだ。

 ブラジル南東部ミナスジェライス(Minas Gerais)州にある人口4000人の小さな町タピラ(Tapira)に生まれた19歳の2人は言う。「自分を男の子だと思ったことは一度もない」

 そして今、長年の共通の夢だった性別移行をかなえた。担当医師によれば、これは「世界で報告された初のケース」だ。

 ブラジル南東部ブルメナウ(Blumenau)にあるクリニック「トランスジェンダー・センター・ブラジル(Transgender Center Brazil)」所属の医師、ホセ・カルロス・マルチンス(Jose Carlos Martins)氏は、1日違いで2人にそれぞれ5時間に及ぶ手術を行った。

 1週間後、AFPのオンラインインタビューに応じた2人は、興奮気味に自分たちの歩んできた道を語った。2人は、それぞれ父親と祖父の姓を名乗っている。

「自分の体はずっと気に入ってました。でも自分の性器が嫌だったんです」と黒髪のマイラさん。手術の後、自分の姿を見て涙が出たと言う。現在はアルゼンチンで医学を勉強中だ。一方、言葉少なに語る金髪のソフィアさんは、大都市サンパウロ(Sao Paulo)で土木工学を学んでいる。

 2人の絆は強い。子ども時代や思春期に周囲からいじめやセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)、暴力を受けてきた。だが、いかに支え合ってきたか、互いの発言を補いながら語ってくれた。