【3月2日 AFP】ミャンマーの放送局「ビルマ民主の声(DVB)」は2日、国軍が所属記者の自宅を襲撃し、身柄を拘束したと発表した。

 国軍は、クーデターに抗議するデモ参加者への取り締まりを強めている。抗議デモ弾圧のため、催涙ガスやゴム弾に加え、実弾の使用も増えている。

 デモを取材するジャーナリストも、警察や軍の取り締まり対象となっており、ここ数日で、ヤンゴンのAP通信(Associated Press)のカメラマンら複数のジャーナリストが拘束された。

 DVBの記者カゥン・ミャッ・フライン(Kaung Myat Hlaing)氏は1日夜、南部ミェイク(Myeik)の自宅アパートが襲撃された様子を、インターネットで生配信した。

 DVBはその数時間後にツイッター(Twitter)で、カゥン・ミャッ・フライン氏が自宅から治安部隊に連行されたと発表した。DVBは連行先を把握していないという。

 カゥン・ミャッ・フライン氏が、DVBの公式フェイスブック(Facebook)アカウントから生配信した動画には、バンという大きな音と、同氏が外にいる治安部隊に向かって「こんなに発砲されたら、下りて行けない」と叫ぶ様子が捉えられていた。

 DVBは、軍事政権時代に国外に拠点を置く地下放送として、テレビやラジオで検閲されていないニュースを放送していた。49年続いた軍政が2011年、民政に移管すると、同局は翌年ミャンマー国内に拠点を移した。

 DVBは2日、国軍に対し、先月1日のクーデター以降に拘束されたカゥン・ミャッ・フライン氏を含むジャーナリストたちの解放を要求した。(c)AFP