【3月2日 AFP】中国で1日、学校で児童・生徒の身体または心に傷を残す可能性のある罰を科すことが禁止された。同国では近年、厳しい罰を受けた児童・生徒が死亡したり自殺したりする例が相次いでいた。

 1日から施行されたこの新規則は、既に導入されている体罰禁止を強化し、むち打ちや長時間の起立・正座や言葉の暴力などを禁止するもの。

 今後は、宿題忘れなど軽微な行為には、反省文やクラスの雑用が、いじめなどの重大な行為には、停学処分などが推奨される。

 中国は1986年に体罰を禁止したが、取り締まりは厳格ではなく、保護者はしばしば体罰を黙認してきた。

 教育省は、新規則に違反した教師をどう処分するかについて、まだ明らかにしていない。

 中国メディアでは、教師に体罰を受けた児童・生徒が死亡する事件や、クラスメートの前で面目をつぶされた児童・生徒が自殺する事件がたびたび報じられている。

 国営新華社(Xinhua)通信は昨年9月、南部四川(Sichuan)省で、計算問題を2回間違えたとして教師に耳を引っ張られ、頭をたたかれた10歳の女子児童が、死亡したと報じた。

 英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)によると、江蘇(Jiangsu)省では昨年6月、小5の女子が自殺。教師に作文を「前向きな気持ち」が足りないと批判され、平手打ちされ、クラスメートの前で恥をかかされたという。(c)AFP