【3月2日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)の新シーズンに向けた合同テストを今月に控えるバーレーンは、新型コロナウイルス対策として各チームと関係者全員に入国時のワクチン接種を申し出ているが、F1側はそれを断る方針であるとみられている。

 2021年シーズンのF1は、来月21日に決勝が予定されていたオーストラリアGP(Australian Grand Prix 2021)の延期を受け、同28日に決勝が行われるバーレーンGP(Bahrain Grand Prix 2021)で幕を開けることになっており、現在は同12日から14日まで同地で行われる合同テストに向けて準備が進められている。

 同GPの主催者は先月28日の夜、「大多数のチームは、レースの3週間前からバーレーン入りする予定」とすると、「ワクチン接種の機会が得られることを希望する人々にとって、これはさらなる予防措置が与えられる絶好の機会になる」とのコメント文を発表した。

 その中では、バーレーンが「世界的にもワクチン摂取率が最も高い国の一つ」であることに加え、現在は国民に対して「計5社のワクチン」の供給が可能であることが強調されており、「時間が許す限りにおいて、任意ベースで、この王国で開催される大規模イベントにもワクチンプログラムを拡大している」と述べられていた。

 一方、内部の情報筋によれば、F1側はこの申し出を辞退するつもりだという。大半のチームと同様に英国に拠点を置くF1は、同国政府のワクチン接種プログラムに今後も準じる意向であることから、関係者には優先権がないとの考えを持っている。

 欧州で最も多い約12万3000人がコロナで死亡している英国では、すでに2000万人以上が1回目のワクチン接種を受けている。(c)AFP