【3月2日 AFP】第2次世界大戦(World War II)時に英首相を務めたウィンストン・チャーチル(Winston Churchill)が描いた風景画が1日、ロンドンで競売にかけられ、予想価格を大きく上回る828万5000ポンド(約12億3000万円、手数料込み)で落札された。作品は、米俳優のアンジェリーナ・ジョリー(Angelina Jolie)さんが所有していた。競売大手クリスティーズ(Christie's)がツイッター(Twitter)で明らかにした。

 熱心なアマチュア画家だったチャーチルは、第2次世界大戦中の1943年に訪れたモロッコのマラケシュ(Marrakesh)からインスピレーションを得て、「The Tower of the Koutoubia Mosque(クトゥビーヤ・モスク<イスラム礼拝所>の塔)」と題された油絵を描いた。完成した作品は、同じく戦時下の指導者だったフランクリン・ルーズベルト(Franklin Roosevelt)米大統領(当時)に贈られた。

 クリスティーズは、この作品を「チャーチルの最も重要な作品」と評し、「著名人が所有していたという来歴はさておき、戦時中にチャーチルが描いた唯一の風景画」と説明している。

 これまで何人かの手に渡り、最終的にジョリーさんの所有となっていたが、ジョリーさんは最近になってこの絵を売りに出していた。

 当初の落札予想価格は150万〜250万ポンド(約2億2000万〜3億7000万円)だったが、電話での入札が大半を占めた競売はヒートアップし、予想を大幅に上回る値段で落札された。(c)AFP