【3月2日 AFP】国連(UN)の人権専門家2人は1日、ロシアの野党勢力指導者アレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏毒殺未遂事件についての国際調査と、収監されている同氏の即時釈放を要求した。

 超法規的・即決・恣意(しい)的処刑に関する国連特別報告者アニエス・カラマール(Agnes Callamard)氏と、意見・表現の自由に関する国連特別報告者アイリーン・カーン(Irene Khan)氏は、「陰険な毒殺未遂」をめぐる責任追及の必要性を強調。先週、モスクワの拘置施設から矯正労働収容所に送られたナワリヌイ氏の「即時釈放」を求めた。

 ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領批判派の急先鋒(せんぽう)であるナワリヌイ氏は、自身の毒殺を命じたのはプーチン氏だったと主張しているが、ロシア政府はこの疑惑を繰り返し否定している。だがカラマール氏は1日の記者会見で、カーン氏とともに出した結論として、「ナワリヌイ氏の恣意的殺害未遂の責任はロシアにある」と断言した。

 一方、欧州連合(EU)各加盟国は同日、ナワリヌイ氏の拘束に関わったとされるロシア司法・法執行当局の高官4人への制裁を承認した。4人はEUへの渡航が禁止され、域内に保有する資産が凍結される。(c)AFP/Nina LARSON