【3月1日 AFP】サッカードイツ代表のヨアヒム・レーブ(Joachim Loew)監督は28日、2年前に構想外を言い渡したW杯ブラジル大会(2014 World Cup)の優勝メンバー、トーマス・ミュラー(Thomas Muller)、ジェローム・ボアテング(Jerome Boateng)、マッツ・フンメルス(Mats Hummels)の3人が今夏の欧州選手権(UEFA Euro 2020)で復帰するかもしれないとほのめかした。

 レーブ監督は独公共放送ARDに「もし転換を始めるなら、覆したり逆行したりすべきではない」とコメントした上で、「だが、(新型コロナウイルスの)パンデミック(世界的な大流行)によってわれわれは1年近くを奪われた。だからもし絶対的な必要性がある場合は、転換をいったん止めることも考えられる」と続け、欧州選手権でスタートリオが復帰するかもしれないと示唆した。

 3人の復帰が実現し得るのは「最後のピースか、さらなるエネルギーをもたらしてくれる選手が必要だと判断した場合」だとレーブ監督は明かした。

 2019年に経験豊富な3人を構想外にし、物議を醸したレーブ監督だが、決断を撤回する姿勢を見せるのはこれが初めてとなる。

 ドイツが不振にあえぐ一方で、構想外になった3人のコンディションはベストな状態に戻り、その後の2年間でレーブ監督への批判は高まっている。チームは最近も結果が出ず、昨年11月にはスペインに0-6の大敗を喫するなど、長期政権を築いている指揮官は最悪の時期を迎えている。

 チームの再建プロセスが計画通りに進んでいない中で、レーブ監督は、ミュラーやボアテング、フンメルスのような選手の起用が、欧州選手権に向けた短期的な解決策として機能し得ると示唆し、「(3選手は)代表チームの仕組みを熟知しているから、すぐに溶け込む」だろうとも話している。

 ドイツ代表は3月からW杯カタール大会(2022 World Cup)の欧州予選に臨み、アイスランド、ルーマニア、北マケドニアと対戦する予定。また、6月15日に行われる欧州選手権のグループステージ初戦ではフランスと激突する。(c)AFP