【3月1日 AFP】中国政府の人権問題を理由に、各所から大会ボイコットや開催権剥奪を求める声が上がっている2022年北京冬季五輪について、今度はドナルド・トランプ(Donald Trump)前米大統領の下で国連(UN)大使も務めた共和党のニッキー・ヘイリー(Nikki Haley)氏が、米国はボイコットすべきだと主張した。

 トランプ氏の元側近で、自身も将来の大統領選での出馬を狙っているとされるヘイリー氏は28日、ツイッター(Twitter)に「2022年北京冬季五輪はボイコットすべきだ。選手にとっては大きな損失だが、それと中国で起こっているジェノサイド(大量虐殺)、また中国に力を与えた場合、この先に待ち受けるであろうさらに恐ろしい出来事とをはかりにかけて考えなくてはならない」と書き込んだ。

 北京冬季五輪は、1年延期になった東京五輪からわずか半年後の来年2月4日に開幕する予定だが、どちらの大会でも新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が準備に暗い影を落としている。

 また中国は、さまざまな問題で国際社会から厳しい目を向けられており、特に新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)で多くの少数民族が強制収容され、米政府がジェノサイドを認定した。香港に対する取り締まりや、台湾への姿勢も批判されている。

 北京五輪をめぐっては、共和党の上院議員7人が2月に開催権剥奪を求める決議案を提出し、「人権を認め尊重する国で」開催できるよう国際オリンピック委員会(IOC)に対して誘致のやり直しを要求。同じ日には約180の人権団体などもボイコットを求めた。

 また前週には、共和党のジョン・カートコ(John Katko)下院議員もボイコットを求める書簡をジョー・バイデン(Joe Biden)大統領に送った。

 米政府は今のところ、北京五輪に出場する意向を崩していない。(c)AFP