ポンペイ遺跡で馬車発掘、イタリアで「類がない発見」
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【2月28日 AFP】イタリア南部の古代ローマ都市ポンペイ(Pompeii)の近くで、装飾を施した馬車が「ほぼ完全な形で」発掘された。ポンペイ考古学公園(Archaeological Park of Pompeii)が27日、発表した。国内では「類がない」発見だという。
出土した馬車は四輪のもので、厩舎(きゅうしゃ)に面したポルチコ(柱で支えられた屋根つきの玄関)で見つかった。厩舎からは2018年に馬3頭の骨が発掘され、うち1頭は馬具を装着した状態だった。
考古学公園は「儀礼で用いられた四輪馬車が、鉄の部品や、手の込んだ青銅やスズの装飾物、石化した木の残骸、有機物(縄から花飾りまで)の痕跡とともに、ほぼ完全な形で発掘された」と発表し、「これはめったにない発見で、これまでのところイタリア国内では類がなく、極めて良好な状態で残存している」と述べた。
発掘現場は、古代都市ポンペイからわずか数百メートルの場所にある「チビタ・ジュリアーナ(Civita Giuliana)」という住宅遺構。発掘調査は、闇市場で売れる遺物を狙った盗掘などの違法行為対策の一環として行われた。
ダリオ・フランチェスキーニ(Dario Franceschini)文化財・文化活動・観光相は考古学公園の発表に引用された発言の中で、「ポンペイはあらゆる発見で驚きを与え続けている。20ヘクタールが未発掘であるため、これから何十年も引き続き驚かせてくれるだろう」と述べた。
ポンペイは西暦79年のベズビオ火山(Mount Vesuvius)噴火の際に火山灰に埋もれて消滅し、2000~1万5000人が死亡した。現在はイタリアで3番目に観光客が多い名所となっており、2019年には390万人が訪れた。新型コロナウイルスの影響で一時閉鎖され、1月18日にようやく再開した。(c)AFP