中国の上場自動車メーカー、業績予想に明暗
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【3月1日 Xinhua News】中国の上海、深圳両証券取引所に上場する自動車メーカーが発表した2020年12月期の業績予想は明暗が分かれた。中国第一汽車集団傘下の一汽解放集団など8社が増益を予想した一方、上海汽車集団や鄭州宇通客車など9社は減益や赤字転落となった。
大型トラックメーカーの一汽解放汽車を傘下に持つ一汽解放集団は、純利益が25億5千万~28億9600万元(1元=約16円)と、資産再編前だった前年に比べ48・3~54・9倍の大幅増になると予想。トラック輸送の需要増など複数の好材料が追い風となったようだ。商用車を手掛ける江鈴汽車も本業のもうけを示す営業利益が前年の7・5倍、利益総額が4・3倍、純利益が3・7倍と大幅成長を見込んでいる。
20年は年間を通じて新型コロナウイルス感染症の影響を受けた年となり、自動車業界でも複数の企業が苦戦を強いられた。上海汽車集団は完成車販売台数が10・2%減の560万台にとどまったことで、純利益が21・9%減の約200億元に落ち込むと予想している。
バス大手の鄭州宇通客車は、純利益が68・6~78・6%減の13億3千万~15億3千万元になると予想。業界関係者は、新型コロナ感染の再拡大や市場の低迷、消費者信頼感の低下など大きな圧力に直面する中、企業業績が二極化していると指摘する。
2月に入ってから、中国本土や香港市場に上場する自動車メーカー各社が21年1月の新車販売実績を相次いで発表。上海汽車集団が0・7%増の40万3100台、吉利汽車控股が39・8%増の15万6300台、安徽江淮汽車集団が54・6%増の5万7700台といずれも好調だった。
中国汽車工業協会(CAAM)は、経済の回復基調が続き、消費者信頼感も改善することで、市場は徐々に回復していくとみており、21年上半期(1~6月)の乗用車の売り上げは堅調に推移すると予想する。統計によると、1月の販売実績は前年同月比26・8%増の204万5千台で、9カ月連続のプラスとなった。新エネルギー車(NEV)が特に好調で、3・4倍の17万9千台に上った。(c)Xinhua News/AFPBB News