【2月27日 AFP】スペイン前国王のフアン・カルロス1世(Juan Carlos I、83)が、440万ユーロ(約5億7000万円)近い追徴課税を全額納付した。担当弁護士が26日、明らかにした。イメージ悪化につながる訴訟への発展を避ける狙いがある。

 スキャンダルに見舞われ、昨年からアラブ首長国連邦(UAE)に滞在しているフアン・カルロス1世が追徴課税を納付したのは、ここ3か月足らずで2度目。前国王の財務に絡む疑惑が再燃し、スペイン王室の評判を下げている。

 今回の追徴課税の対象とされたのは、前国王によるプライベートジェットの利用費。当初は、遠い親戚が所有するリヒテンシュタインに拠点を置く財団が負担していた。前国王は昨年12月にも、未納となっていた68万ユーロ(約8800万円)近い税金を自主的に納めていた。

 前国王の愛人問題やぜいたくなライフスタイルが次々に暴露され、2018年には娘の夫が脱税や横領で有罪判決を受けたことも重なり、スペイン王室の威信は失墜。

 息子のフェリペ6世(King Felipe VI)は2014年の王位継承以来、王室メンバーに「行動規範」を課すなど、王室のイメージ回復を目指すさまざまな施策を講じている。(c)AFP