【2月26日 AFP】新型コロナウイルスのワクチン接種を受けたスペインの高齢者のグループが24日、首都マドリード中心部の劇場へと出かけた。約1年ぶりの外出だ。

 そのうちの一人、ミラグロ・フェルナンデス(Milagro Fernandez)さん(98)は、爪にマニキュアを塗って髪をカールし、レースのブラウスの上に毛皮のコートをはおって身支度をした。

 フェルナンデスさんが暮らす高齢者施設のロビーでは、職員たちが拍手で彼女を送り出した。昨年春に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)にかかり、その後に回復したこの小柄な高齢女性にとって、この日の外出は大きな節目となった。

 首都中心部グランビア(Gran Via)通りの劇場へと向かうミニバスには、フェルナンデスさんの他、3人の施設居住者が乗り込んだ。グランビア通りは市内で最もにぎわう繁華街だ。4人は1年間ずっと外出を控えていたという。

 昨年12月初めの政府報告書では、コロナのパンデミック(世界的な大流行)の第1波による犠牲者のうち、47~50%は高齢者介護施設の利用者だったと推定された。

 スペインではこれまで、新型コロナウイルスにより6万8000人以上が死亡、130万人以上が感染している。

 映像は2月24日撮影。(c)AFP/Marie GIFFARD