【2月26日 AFP】米軍は25日、シリア東部で親イラン武装組織が使用している施設を空爆した。米国防総省は、イラクの米軍拠点がロケット弾攻撃を受けたことに対するジョー・バイデン(Joe Biden)政権からイラン政府へのメッセージだとしている。

 バイデン政権が、イラン系組織に対する軍事行動を起こしたのは初めて。国防総省によると、シリア・イラク国境にある検問所を空爆し「複数の施設」を破壊したという。

 ジョン・カービー(John Kirby)国防総省報道官は、「バイデン大統領の指示で米軍が、イランの支援を受けている民兵組織が活用するシリア東部のインフラ設備への空爆を実施した」と発表。「イラク国内の米軍と有志連合軍の人員に対する最近の攻撃と、これら人員への継続的な脅威に対応したものだ」と説明した。

 カービー氏は、25日の空爆で死傷者が出たかどうかは明らかにしなかった。

 一方、在英NGOのシリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)によれば、シリア・ブカマル(Bukamal)近郊でイラクから武器弾薬を運んできたトラック3台が攻撃を受け、17人が死亡した。死者は全て、イラク政府が資金援助する親イラン民兵集団の連合組織「人民動員隊(Hashed al-Shaabi)」の構成員だとしている。

 今回の空爆に先立ちイラク国内では、米軍と有志連合軍が使う施設が3回にわたってロケット弾攻撃を受けていた。今月15日に北部のクルド人自治区アルビル(Arbil)にある軍事施設が狙われた攻撃では、民間人1人と有志連合軍の請負業者の外国人1人が死亡し、米軍の請負業者数人と兵士1人が負傷した。(c)AFP