【2月26日 AFP】カトリック教徒の多い南米ペルーの裁判所は25日、安楽死を望むポリオ患者の意思を尊重するよう政府に命じた。安楽死を認める判決は同国初。

 憲法裁判所の判事らは、保健省と社会保険庁は「安楽死によって人生を終わらせたい」というアナ・エストラーダ・ウガルテ(Ana Estrada Ugarte)さん(44)の「決断を尊重」しなければならないとする判決を下した。

 現地メディアによると、心理学者のエストラーダさんは12歳の時から、治療法がなく進行するポリオに苦しんでいる。体のほとんどがまひ状態で、1日の大半をベッドの上で過ごし、排せつにも介助を必要としている。

 判決を受けて、エストラーダさんは現地ラジオRPPに対し、「言葉にできないほど興奮している。大きな喜びを感じている」と述べ、「この時が来れば自由になれると、常日ごろからはっきり言ってきた。その時が今訪れた。このために私は今まで闘ってきた」と語った。

 今回の判決は、道徳に反するとして安楽死を認めないカトリック教徒が大半を占めるペルーで議論を巻き起こす可能性がある。(c)AFP