【2月26日 AFP】英シンクタンク「国際戦略研究所(IISS)」は25日、2020年の世界の軍事費が、新型コロナウイルスの流行とそれに続く景気後退の影響にもかかわらず、過去最高水準に達したと発表した。中国の海軍増強などが増加をけん引したとされる。

 IISSが発表した世界各国の軍事力に関する年次報告書「ミリタリー・バランス(Military Balance)」によると、昨年の世界の軍事費は1兆8000億ドル(約190兆円)に達し、実質ベースで前年比3.9%増となった。

 IISSは、「新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)とそれに続く世界経済の縮小にもかかわらず」世界の軍事費が増加したと指摘している。

 2020年の軍事費が世界で最も多かったのは米国で、7380億ドル(約78兆円)と全体の4割を占めた。

 中国は1933億ドル(約20兆円)で全体の10.6%を占めた。IISSは中国について、軍備を拡張し、艦艇の数を大幅に増やしていると指摘。南シナ海(South China Sea)への海洋進出などを要因に挙げた。(c)AFP