【2月26日 AFP】アルメニア軍の参謀本部は25日、ニコル・パシニャン(Nikol Pashinyan)首相の辞任を要求した。パシニャン氏は直ちに「軍事クーデターの試み」だと非難し要求を拒否。首都エレバンでは政権支持派・反対派の集会が開かれ、合わせて数万人が参加した。

 パシニャン首相に対しては、係争地ナゴルノカラバフ(Nagorno-Karabakh)をめぐり隣国アゼルバイジャンとの間で昨年起きた軍事衝突での対応が批判され、国内で圧力が強まっていた。軍参謀本部はこれまでパニシャン氏を支持していたが、この日発表した声明では一転して内閣総辞職を要求。パニシャン氏は、自身を追放するたくらみだとして反発し、数時間後にエレバン中心部で支持者約2万人が参加する集会を開いた。

 パシニャン氏は集会で「大将、将校、兵士全員に命じる。国境と領土保全を守るという職務を遂行せよ」と言明。「(軍は)国民と、選出された政府に従わなければならない」と述べた。国防省も、軍による「政治過程への介入の試みは容認できない」との声明を発表。パシニャン氏は野党側との対話の用意があるとしつつも、「政治発言を超えた行為」に及ぶ反対派は拘束するとけん制した。

 一方、野党側もそう遠くない場所に支持者約1万人を集結させ、議会前にテントとバリケードを設置して、夜通しのデモ実施を宣言した。

 米国務省のネッド・プライス(Ned Price)報道官は25日、アルメニア軍の政治介入への反対を表明し、同国の全勢力に対し自制を求めた。(c)AFP