【2月25日 AFP】オーストラリアで、森の中をさまよっていた毛むくじゃらの「野良羊」が保護された。伸び放題となっていた毛を刈り取ったところ、重さは35キロあり、5年ほど前から全く手入れがされていなかったとみられる。

 保護した施設によると、羊はビクトリア(Victoria)州の森の中で見つかった。汚れた毛は泥で固まり、ごみが絡まってとても歩きにくそうだったという。

 メルボルン北郊にあるこの動物保護施設「エドガーズ・ミッション・ファーム・サンクチュアリー(Edgar's Mission Farm Sanctuary)」は今月、雄の羊を保護して「バーラック(Baarack)」と名付けたことをフェイスブック(Facebook)で発表した。

 創設者のパム・エイハーン(Pam Ahern)さんは、バーラックのもつれた毛の状態から、5年近く毛刈りが行われていなかったと推測。「とても元気が良くてわんぱくな子羊だったから、ふらっと遊びに出たまま帰らなかったのだろう」と話した。

 羊は、少なくとも年1回は毛刈りをしないと毛の重量で歩けなくなるため、自然界では長く生きられない。特にオーストラリアの極めて暑く乾燥した夏を越すのは困難とされる。

 なお、とてつもない重さだったバーラックの毛の量も、世界記録には届かなかった。2015年に見つかってクリス(Chris)と名付けられた羊からは、重さ41キロもの毛が刈り取られ、大きな話題を呼んだ。

 とはいえ、巨大な毛の塊からこざっぱりとした姿になったバーラックの大変身は、動画投稿アプリ「ティックトック(TikTok)」で数百万回再生されており、新たなスターが誕生したのは間違いないようだ。

 映像は10日撮影・25日提供。(c)AFP