共同体キッチンで女性に自信 「フェミサイド」はびこるメキシコ
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【3月8日 AFP】3月8日は国連(UN)が定めた「国際女性デー(International Women's Day)」。 今年のテーマは「Choose to Challenge(挑戦することを選ぶ)」だ。以下の記事では、チャレンジを選択したメキシコの女性たちを紹介する。
メキシコの首都メキシコ市郊外にあるコミュニティー・キッチンで、女性のグループがトルティーヤを作っている。このキッチンは彼女らにとって、暴力とコロナ禍による経済的苦境からの避難所となっている。
かまどに火を起こす人がいれば、トウモロコシをすりつぶす人、生地をこねる人、野菜を洗う人がいる。
男らしさを誇示する文化が長く続く同国では、フェミサイド(女性を標的とした殺人)がはびこっている。女性が被害者となる殺人は1日10人のペースだ。
家庭内で虐待を受けている女性の中には、新型コロナウイルスの流行と、それにより家に閉じこもることを余儀なくされたことをきっかけに、取り組みに参加した人もいた。
共同体「Mujeres de la Tierra(大地の女性たち)」のメンバーは現在、トルティーヤやタマーレといったトウモロコシをベースにした料理を、ソーシャルネットワークを通じて販売している。
「残念なことに、私たち全員が何らかの形の暴力、(中略)心理的、肉体的、金銭的暴力に苦しんできました」と、ファーストネームのみで取材に応じたアルマさん(31)は語った。
■取り組みで「自信ついた」
共同体の女性らはコロナ禍で職を失い、家庭内で受ける暴力の度は増した。女性らは皆、フルネームを明かしたがらず、受けてきた暴力について多くを語りたがらない。そんな女性らに、この取り組みは新たな希望を与えている。
アルマさんはくすぶるかまどの横に立ちながら「この土地で取れる物を使って(料理を)作ることができて、家で受けていた暴力から逃げることもできて、私たちはとてもラッキーです」と話した。
別の女性、レティシアさん(39)は、共同体とその連帯意識は多くの恩恵をもたらしていると語る。
「この取り組みで経済的、精神的に安定しただけでなく、自信もつき、心が晴れました。取り組みはたくさんのものを与えてくれています」 (c)AFP/Yussel Gonzalez