【2月24日 AFP】北朝鮮の男性が、海を泳いで韓国入りしたものの、韓国軍が監視カメラに何度も映っていたこの男性を見過ごし、発見まで何時間もかかっていたことが分かった。問題を受けて、現地メディアや野党議員らから非難が殺到している。

 20代とされるこの男性は、ダイビングスーツと足ひれを着用し、非武装地帯(DMZ)周辺海域を6時間かけて泳ぎ、韓国北東部の高城(Goseong)にたどり着いたとされる。

 それから3時間以上にわたり、監視カメラが男性の姿を8回捉え、警報が2回鳴ったにもかかわらず、国境警備隊は気付かなかったという。

 その後ようやく捜索が開始されたものの、警備隊が男性を発見したのは3時間後。男性は寝入っている様子で、着用していたマスクが木につり下げられていたという。男性は北朝鮮の民間人とみられ、当局によると亡命を希望している。

 韓国軍は、国境警備隊が「正規の手順に従わなかった」と認め、警備強化を約束。また徐旭(ソ・ウク、Suh Wook)国防相も23日、国境監視システムの「機能不全と老朽化」を認めた。

 保守系の朝鮮日報(Chosun Ilbo)は24日、今回の事態発生は軍が「崩壊寸前に近い」証拠だと指摘した。(c)AFP