【2月25日 AFP】中国の裁判所はこのほど、離婚後の元夫に対し、結婚生活5年間の家事の対価として5万元(約80万円)を元妻に支払うよう命じた。この画期的な判決を受けて、中国国内で激しい議論が巻き起こっている。

 同国では今年、新しい民法が施行された。同法は、離婚した元配偶者がより多くの家事を担っていた場合、その報酬を請求する権利を初めて認めている。

 元妻は首都北京の裁判所に対し、結婚していた5年間に「自分は育児や家事をこなしたが、元夫は仕事に行く以外、家庭内の用事を気に掛けたり分担したりすることがなかった」と訴えた。

 これを受けて裁判所は、元妻の方に家庭内でより大きな負担があったと認め、5万元と、養育費として毎月2000元(約3万3000円)を支払い、さらに子どもの単独親権を認めるよう、元夫に命じた。しかし地元メディアが今週報じたところによると、元妻は当初16万元(約260万円)を求めており、上訴したという。

 今回の判決を受け、これまで支払われてこなかった女性の家庭内労働の対価をめぐる議論が、インターネット上で広がっている。中国版ツイッター(Twitter)の「ウェイボー(Weibo、微博)」には、「女性は絶対専業主婦になるべきではない。離婚したら手元には何も残らない。家事報酬が5万元だなんてふざけている」といったコメントが寄せられた。

 経済協力開発機構(OECD)によると、中国における女性の無償労働時間は1日平均4時間近くで、男性の2.5倍に上るという。(c)AFP