【2月24日 AFP】シンガポールで23日、ミャンマー出身のメイドを雇用していた女が、メイドに十分な食事を与えず暴行を繰り返し、最終的に殺害したとされる事件の裁判が行われ、女は罪を認めた。検察は今回の事件を、同国史上最悪のメイド虐待事件の一つと表現している。

 シンガポールには約25万人の家庭内労働者がいるが、その大半が比較的貧しいアジア諸国の出身者らで、不当な扱いの事例が後を絶たない。

 今回の事件で殺害されたピアン・ヌガイ・ドン(Piang Ngaih Don)さん(当時24)が体験した虐待は特に過酷なものだった。踏みつけられたり、首を絞められたり、ほうきでたたかれたり、熱したアイロンを押し付けられたりしていたという。

 ガイヤティリ・ムルガヤン(Gaiyathiri Murugayan)被告(40)は23日、故殺(計画性のない殺人)を含む28件の罪を認めた。量刑は後に言い渡されるが、終身刑に処される可能性がある。

 2015年、ガイヤティリ被告と警察官の夫は、当時4歳の娘と1歳の息子の世話をしてもらうために女性を雇った。2016年7月、女性は数時間にわたり被告から繰り返し暴行を受け、息を引き取った。

 女性はほとんど食事を与えられず、シャワーや排せつ時にはドアを開けたままにするよう強要されていた。睡眠は一晩5時間に限られていた。雇用中に体重が約38%減り、死亡時には24キロしかなかった。

 警察は、被告の夫も複数の罪に問われていると認めている。(c)AFP