【2月26日 Xinhua News】中国の美容医療業界で合併・買収(M&A)が活発化し、上場企業による勢力拡大の動きが頻繁に見られるようになった。市場の成長性の高さに目を付けた企業の参入が相次いでいる。

 中国の老舗医薬品企業、康哲薬業控股は1日、完全子会社を通じて皮膚治療などを手掛ける香港の企業Luqa Venturesの発行済み全株式を取得した。皮膚治療や高級美容医療は大きな成長が見込めるとして、市場での地位拡大を図る。Luqaのノウハウと商品を傘下に取り込むことで、美容医療業界での競争力向上につなげたいとしている。

 化学繊維製造を手掛ける奥園美谷科技も、M&Aを通じて美容医療市場でのシェア獲得を目指す意向を明らかにしている。同社は美容医療市場の見通しを楽観しており、M&Aによって川下の美容医療機関や川上の原材料メーカーの買収を進めてシェアを拡大するとともに、医療美容技術分野への進出にも注力する。

 中国の美容医療市場は高成長を続け、高い潜在力を示している。中国の調査会社、艾瑞諮詢集団(アイリサーチ)によると、20年の市場規模は前年比11・6%増の1975億元(1元=約16円)だった。新型コロナウイルス感染症の影響で伸び率はやや縮小したものの、今後は徐々に回復し、23年の市場規模は3115億元、19~23年の年平均成長率は15・2%になる見通しという。

 米調査会社フロスト・アンド・サリバンの集計によると、中国本土の美容医療の浸透率は19年に1・5%から3・6%に拡大したが、世界の主要先進国を大きく下回り、日本の3分の1、米国の5分の1、韓国の6分の1にとどまる。国海証券は、中国の1人当たり美容医療消費額と千人当たり治療回数の浸透率は米国や韓国に比べ、少なくとも4倍の伸びしろがあるとの見方を示している。(c)Xinhua News/AFPBB News