【2月25日 CNS】中国では今、感染症を予防するための自主的健康管理期間中の人々が外出する際、健康コードという電子証明が必要だ。ほとんどがスマートフォンによって生成されるため、使用に慣れていない高齢者たちにとっては一つの難関だ。

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 メディアの報道によると、この問題は多くの地方政府に重視され、解決に向けて懸命に取り組んでいる。北京市、上海市、広東省(Guangdong)などでは、高齢者がIDカードをスキャンして健康コードを確認するサービスを始めた。スマートフォンはもはや必須アイテムでなくなり、自主的健康管理期間の高齢者たちの外出は大変便利になった。

 誰もが持っているIDカードに健康コードの情報を取り込むことで、スマートフォンを使用しなくても済み、効果的な方法といえる。昨年末、国務院弁公庁は「高齢者のインテリジェント技術の使用における困難を効果的に解決するための実施計画」を発表した。健康コードを唯一の証明とせず、高齢者の場合は、有効なIDカードや紙の証明書で登録する代替方法を講じることができた。「IDカード+健康コード」は、手作業での登録や紙の証明書の印刷が不要になり、高齢者の負担をさらに軽減し、優しい政策といえる。

 健康コードの多様化は、高齢化のための公共サービス改革のほんの一部にすぎない。現実の状況から見ると、多くの分野で技術運用の配慮はまだ足りない。最近、光明日報は、ある北京大学(Peking University)教授の93歳の父親が銀行での経験についての記事を掲載した。

 老人の身元を確認するために、家族が老人を銀行まで送り、いわゆるスマート設備の前で老人が震えながら顔認証を受けた。何回も認証失敗を繰り返した末、ようやく銀行側の責任者が窓口で業務を受け付けた。銀行のやり方は不可解だ。本人が目の前にいるのに、身分証明書などで本人確認はできないのか。 顔認証がそんなに重要なら、なぜ遠隔で検証できないのか。 いずれにしても、技術は困難を生み出すためのものではなく、問題を解決するためのものでなければならない。同様の例はほかにも多くあり、地域社会全体での年齢に応じた改革にはたくさんの作業が必要であることを示している。(c)CNS-法治日報/JCM/AFPBB News