【2月24日 People’s Daily】1月22日、中国青海省(Qinghai)・河南省(Henan)間の±800キロボルト超高圧直流送電プロジェクト豫南交直変換変電所内で、中国国家電網(SGCC)河南省電力会社直流運検会社は中国共産党員による突撃隊隊員を組織し応急消防訓練を行い、変流故障による火災応急処置の模擬訓練を行った。今回は同プロジェクトが昨年末から全面的に実施されて以来、変電所内で行われた16回目の消防訓練となり、設備の安全・安定の運転レベルの向上をより確実なものとした。

 青海省はクリーンエネルギー資源が豊富で、太陽光発電と風力発電に使われる荒漠化した土地が10万平方キロあり、太陽光発電のポテンシャル(開発可能量)は30億キロワットを超え、風力発電のポテンシャルは7500万キロワットを超える。2020年12月30日、同プロジェクトは総電圧、総電流および過負荷の運転審査に耐え、±800キロボルトの総電圧運転状態に正式に入った。一方はエネルギー資源が豊富な青海省、もう一方はエネルギー需要が大きな河南省で、同プロジェクトは青海省のエネルギーを外部に運送するかけ橋としての役割を果たす。

 同プロジェクトは、中国国家電網公司が青海省の新エネルギーの大規模開発計画を支援するために建設した初めての超高圧送電線であり、クリーンエネルギーの外部輸送のために建設した送電線の世界初の事例でもある。このプロジェクトは青海省海南チベット族自治州(Hainan Tibetan Autonomous Prefecture)からスタートし、河南省駐馬店市(Zhumadian)まで続く。青海、甘粛(Gansu)、陝西(Shaanxi)、河南の4省を経由し、全長は1563キロで、2020年7月15日に送電を開始した。

 中国国家電網公司青海省電力会社建設部の李慶軍(Li Qingjun)副主任によると、2020年12月31日までに、同プロジェクトはすでに河南省に「グリーン電力」34.1億キロワット時の電力を送った。原炭の消費量の154万トン、二酸化炭素の排出量を253万トンの削減に相当する。このエネルギー供給の大動脈は、河南省に青海のクリーンエネルギーの使用を可能にさせただけでなく、湖北(Hubei)、湖南(Hunan)、江西(Jiangxi)の3省にも影響を与えた。2020年7月から8月にかけ、湖北省、江西省は同プロジェクトを通じ、7600万キロワット時の電力を購入したという。

 中国はクリーンで低炭素、安全で効率的なエネルギーシステムの構築を加速させており、全国の再生可能エネルギーの開発利用規模が急拡大している。2020年8月末までに、水力発電、風力発電、太陽光発電の累計設備容量はそれぞれ3.6億キロワット、2.2億キロワット、2.2億キロワットと、世界トップとなっている。2019年末までに、中国の運転中・建設中の原発設備容量は6593万キロワットで、世界第2位となった。

 中国国務院新聞弁公室が2020年12月に発表した「新時代の中国エネルギー発展」白書によると、「2019年の炭素排出強度は2005年より48.1%低下し、2020年の炭素排出強度は2005年より40%~45%低下させる目標を繰り上げて達成し、二酸化炭素排出の急増加局面を転換させた」という。

 同時に、中国のエネルギー消費構造のクリーン化と低炭素化への転換が加速している。初歩的な計算結果によると、2019年の石炭消費のエネルギー消費総量に占める割合は57.7%で、2012年より10.8ポイント低下した。天然ガス発電、水力発電、原子力発電、風力発電などクリーンエネルギー消費量のエネルギー消費総量に占める割合は23.4%で、2012年より8.9ポイント上昇した。非化石エネルギーのエネルギー消費総量の比重は15.3%に達し、2012年より5.6ポイント上昇し、2020年までに非化石エネルギー消費の比重を15%程度まで削減させるという目標を前倒しで達成した。(c)People’s Daily/AFPBB News