【2月26日 CNS】中国農業農村部は、同国の一部地域で野菜の価格が上昇していることについて、「価格の変動は時期的なもので、春節(旧正月、Lunar New Year)期間中は通常に推移し、野菜は十分な供給量がある」との見解を示した。

 中国では春節の連休期間中、家族で新年を祝い食卓を囲むのが通例で、野菜の需要も高くなる。農業農村部によると1月は寒波に見舞われる日が多く、北部のハウス栽培や南部の露地栽培に一定の影響を与えた。また、新型コロナウイルス感染抑制のため河北省(Hebei)などでロックダウン(都市封鎖)が実施され物流が滞ったため、一時的に野菜価格が上昇した。

 農村部は「全国で野菜の作付面積は増え、生産は安定している」と説明。全国の冬野菜と春野菜の作付面積は約8500万ムー(約566万ヘクタール)で、前年より100万ムー(約6万6600ヘクタール)増加。その中で、広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)、四川省(Sichuan)、湖北省(Hubei)、江蘇省(Jiangsu)、山東省(Shandong)、河北省など17省・自治区の主要生産地域では、6365万ムー(約424万ヘクタール)に上る。白菜、キュウリ、トマト、ナスなどの作付面積が拡大し、順調に成長している。

 今年の第1四半期に市場に出回る野菜は、前年同期比2ポイント増の約1億6200万トンに達し、17省・自治区の月間出荷量は3.1ポイント増の4300万トンになると予想されている。

 主要産地は野菜の生産能力を高め、積極的に外地へ流通している。広西チワン族自治区では週間収穫量は70万トンで、このうち外地に25万トンを調達できる。安徽省(Anhui)は月間190万トンの野菜を収穫し、毎週約8万トンの野菜を調達する予定。福建省(Fujian)は外地へ毎週約14万トンを流通する。河北省では1月から2月にかけて560万トンを生産し、外地へ220万トン調達する見込みだ。

 価格面では、タマネギや生姜などの野菜が下落している。今月3日現在、北京で野菜の卸売価格は1キロあたり4.41元(約72円)で、1月のピークから12.7%下がった。
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