【2月22日 AFP】分散開催が予定されている今夏のサッカー欧州選手権(UEFA Euro 2020)について、英政府がファンを入れての開催を期待し、さらに集中開催も提案していると21日付の英紙サンデー・タイムズ(Sunday Times)が報じた。

 それによると、オリバー・ダウデン(Oliver Dowden)デジタル・文化・メディア・スポーツ相が欧州サッカー連盟(UEFA)に対し、新型コロナウイルスのワクチン接種が順調に進んでいる英国では、欧州の他国に先駆けて5月末にはファンの入場を再開できる見込みだとアピールしたという。

 そうなれば、チケット収入の減少幅を減らしたいUEFAが英国での試合を増やす、場合によっては大会全体を英国で開催する可能性もある。

 欧州選手権はもともと2020年夏の開催予定だったが、新型コロナのパンデミック(世界的な大流行)で1年延期になり、現在は欧州12都市での分散開催は維持したまま、6月11日から7月11日にかけて行われる予定となっている。

 UEFAは今のところ、この予定を維持すると強調しているが、選手やスタッフの移動の面で難しさがあり、各国が現在の渡航制限を維持し、予定通りの実施が不可能になった場合に備えた次善策を検討しているとみられている。

 英国では、ロンドンのウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)で準決勝2試合および決勝など7試合、グラスゴーで4試合の開催が予定されている。英国の他にはイスラエルが、国をまたいだ移動ができなかった場合の欧州選手権、さらには欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2020-21)の主催を申し出ている。

 チャンピオンズリーグとヨーロッパリーグ(UEFA Europa League 2020-21)では、すでにドイツとスペイン、ポルトガルで開催予定だった数試合が、入国制限によって中立地開催に変更となっている。

 欧州選手権は、ロンドンとグラスゴーの他に、アイルランドのダブリン、オランダのアムステルダム、デンマークのコペンハーゲン、ロシアのサンクトペテルブルク(St. Petersburg)、スペインのビルバオ(Bilbao)、ドイツのミュンヘン(Munich)、ハンガリーのブダペスト、アゼルバイジャンのバクー、イタリアのローマ、ルーマニアのブカレストが開催都市となっている。(c)AFP