【2月22日 AFP】イスラエルで21日、新型コロナウイルス感染拡大防止のため停止されていた多くの店舗やサービスの営業が再開された。しかし、2度のワクチン接種を終えた人などに発行される「グリーンパス」保持者しか利用できないものもある。

 イスラエルのコロナワクチン接種は世界で最も速いペースで進んでおり、人口のほぼ3分の1に当たる300万人近くが、米製薬大手ファイザー(Pfizer)と独製薬ベンチャーのビオンテック(BioNTech)が共同開発したワクチンの2回の接種を終えている。

 イスラエル政府は、同国3度目のロックダウン(都市封鎖)に踏み切った昨年12月から実施してきた制限措置を段階的に緩和してきた。

 ショッピングモールや路面店は、入店する人数に上限を設けた上で21日に営業が再開された。しかし、スポーツジムやプール、ホテル、一部の文化施設は、グリーンパスを持っている人しか利用できない。

 イスラエルのグリーンパス制度は、人口の相当部分がワクチン接種を済ませた後に経済を再開させる際のモデルになり得るとして他国からも注目されている。その一方で、ワクチン接種を見送った人には不公平になるという批判もある。

 イスラエル保健省によると、グリーンパスの発行を受ける資格がある人は21日現在で320万人近くに上っている。内訳は、2度目のワクチン接種を受けてから1週間以上たった約250万人と、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)から回復した約70万人。

 世界有数の医療データシステムを持つイスラエルは、市場価格を上回る購入価格と、データを共有するという取り決めを製薬会社と結んだことで、ファイザー/ビオンテックのワクチンを大量に確保した。

 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は、ワクチン調達と大規模な接種で成果を挙げ、この2年足らずの間で4度目となる3月23日の選挙を前に支持の拡大につなげたい考えだ。(c)AFP/Alexandra VARDI