【2月21日 AFP】イランが定めた米国の制裁解除の期限が数時間後に迫る中、国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ(Rafael Grossi)事務局長は21日、イラン原子力庁のアリアクバル・サレヒ(Ali Akbar Salehi)長官と首都テヘランで会談した。イランは制裁が解除されなかった場合、IAEAによる査察を制限するとしている。

 現地報道によると、グロッシ事務局長は20日夜にテヘランに到着。21日朝にサレヒ長官と会談した。

 イラン議会が定めた21日の期限が過ぎても米国が制裁を解除しなかった場合、23日からIAEAによる核関連の査察の一部受け入れが停止される恐れがある。ただ、IAEAとの協力をやめたり、査察団を追放したりすることはないとイラン側は強調している。

 イランは、ドナルド・トランプ(Donald Trump)前米大統領が2018年に再開した制裁が解除されない場合には、核関連活動が疑われる軍事施設など、核施設以外での査察の受け入れをはじめとする「透明性確保のための任意的措置」を停止するとIAEAに通達している。

 ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は、「最大限の圧力」をかけるという前政権の対イラン政策とは距離を置き、イラン政府との対話に再び参加すると表明している。

 一方でイラン政府は、先に米国がトランプ前大統領の制裁を解除するならば、再び核合意を順守する用意があると繰り返し主張している。(c)AFP