【2月21日 AFP】女子テニスの大坂なおみ(Naomi Osaka)が20日、全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2021)女子シングルス決勝でジェニファー・ブレイディ(Jennifer Brady、米国)を下し、四大大会(グランドスラム)通算4勝目を挙げた。

 グランドスラムの決勝で初進出から4回連続で勝利するのは、女子では1991年のモニカ・セレシュ(Monica Seles)氏以来の快挙となった。ここでは大坂が優勝した2度の全豪オープンと2度の全米オープン(US Open Tennis Championships)について振り返る。

■全米オープン2018

 当時20歳の大坂は、決勝で自身のアイドルであるセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)を6-2、6-4で下し、日本人として初めてグランドスラムを制した。大坂にとっては、これがわずかツアー2勝目だった。

 この一戦では、セレーナが主審のカルロス・ラモス(Carlos Ramos)氏を「盗人」呼ばわりしてペナルティーを受ける出来事があり、試合に水を差した。

 それでも落ち着きを保った大坂は騒動を意に介さず勝利したが、試合後の表彰式では米国の観客からブーイングが起こり、後味の悪い優勝となった。大坂も涙を隠そうとし、セレーナに慰められた。

 第20シードとして出場していた大坂は、大会を通して1セットしか落とさずに栄冠に輝いた。20歳での全米オープン優勝は、2006年のマリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)の後では最年少だった。

■全豪オープン2019

 大坂は決勝でペトラ・クビトバ(Petra Kvitova、チェコ)に7-6(7-2)、5-7、6-4で競り勝ち、全米オープンでの大躍進が本物だったことを証明した。

 決勝までに三つの3セットマッチを乗り越えた大坂は、最後も2時間を超える死闘を戦い抜き、試合後にはうれし涙を流した。激戦の末に勝ち取った優勝により、大坂は男女通じて初めて、アジア選手として世界ランキング1位に浮上した。 

■全米オープン2020

 22歳になった大坂は、決勝でビクトリア・アザレンカ(Victoria Azarenka、ベラルーシ)に1-6、6-3、6-3で逆転勝ちし、新型コロナウイルスの影響で無観客だったアーサー・アッシュ・スタジアム(Arthur Ashe Stadium)で自身三つ目のグランドスラムタイトルを獲得した。

 今大会での大坂は、人種差別や警察の暴力の犠牲になった人の名前が入ったマスクを毎試合着用して敬意を表すなどし、人種差別抗議運動「Black Lives Matter(黒人の命は大切)」の支援にも広く称賛が集まった。

■全豪オープン2021

 ガルビネ・ムグルサ(Garbine Muguruza、スペイン)との4回戦では2度のマッチポイントまで追い込まれた大坂だったが、その後は一切危なげなく、決勝でもブレイディに6-4、6-3で快勝。昨季から出場した試合での連勝を21に伸ばした。

 決勝での大坂は両セットで2ブレークずつ奪い、わずか77分で勝利した。ブレイディも各セット1回ブレークバックに成功したが、最終的には大坂の破壊力に抑えられた。(c)AFP