【2月20日 AFP】米国のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領がドナルド・トランプ(Donald Trump)前政権の移民政策を全面的に転換したことを受け、米国に難民認定を申請してメキシコで待機している人々のうち、最初の25人が19日に米国に入国した。米入国を求めてメキシコで待機している人々は数万人に上る。

 トランプ前大統領の「メキシコ待機(Remain in Mexico)」政策では、主に中南米出身の数万人の人々は難民認定申請の審査結果が出るまで、メキシコに送られ待機させられていた。正式には「移民保護プロトコル(MPP)」と呼ばれ、物議を醸したこの政策に対し、バイデン政権は直ちに廃止へ向け動き出し、19日に第1段階をスタートさせた。

 AFPの記者によると、25人は国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の関係者らに付き添われ、メキシコのティフアナ(Tijuana)からバスで国境を越えた。

 カリフォルニア州サンディエゴ(San Diego)の保護当局の職員は匿名を条件に取材に応じ、25人が現地のホテルに到着したと認めた。最終的な目的地は明らかにされていない。

 米国自由人権協会(ACLU)は25人の入国について、米国の難民認定制度を立て直す「重要な一歩」と評価。しかし、ACLUサンディエゴ支部のエドワード・シフエンテス(Edward Sifuentes)氏は「この非人道的な政策により、今なお多くの人々が足止めを食らっている」と述べた。

 米国土安全保障省によると、手続きが進んでいる申請は約2万5000人分。メキシコ当局は、自国内にとどまっている申請者が6000人いるとしている。(c)AFP