【2月20日 AFP】全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2021)の男子シングルス決勝で、これまで8戦全勝を記録しているノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)は、そのことが21日の大一番で自分に自信をもたらすだろうとしながらも、「最大の相手」である絶好調のダニール・メドベージェフ(Daniil Medvedev、ロシア)との勝負を制するには、それ以上のものが必要になると考えている。

 世界ランキング1位のジョコビッチは、四大大会(グランドスラム)でそれぞれ通算20回の優勝を誇るロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)とラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)との差を縮めるべく、自身9度目の全豪決勝でキャリア18回目のメジャー制覇を目指している。

 今大会ではあわや棄権を余儀なくされるような腹筋のけがに苦しみ、珍しく計5セットを落とすなど浮き沈みの激しい勝ち上がりとなっているが、予選勝者のアスラン・カラツェフ(Aslan Karatsev、ロシア)を一蹴した準決勝後にはこの2週間で一番良い感覚だと明かしていた。

 全豪オープンでは昨年までの13年間で計8度の決勝進出を果たし、決勝では一度も負けたことがないという圧巻の強さで21日の頂上決戦に臨む。さらに、グランドスラム決勝の舞台でプレーするのは、メドベージェフはこれが2回目であるのに対し、ジョコビッチは28回目となる。

 それでも33歳の王者は、経験値では明らかに自分の方が上回っていようとも、現在破竹の20連勝中のメドベージェフには驚異的な勢いがあると警戒している。

 ジョコビッチは、「もちろん、今まで決勝や準決勝で負けたことがないと知って臨めるのは自信につながるし、コート上でより落ち着くことができる」と話し、「精神的には自分に有利に働くだろうけど、ひょっとしたら相手にも影響があるかもしれない。どうかな、だけど自分にとって前向きな影響があるのは間違いない」とコメントした。

「しかし、試合の展開に関して決定的な要素にはならない。なぜなら、大会は年によって違うからだ」

 昨年のATPファイナルズ(ATP Finals 2020)で自身からストレート勝ちを収めた試合を含め、同11月から負け知らずのメドベージェフについては「最大の相手」とみなし、「彼はとにかく安定している。それに(解説者の)ジム・クーリエ(Jim Courier)氏が、彼をチェスの名人に例えていた。彼がコート上でみせる緻密なポジション取りが、まさにその通りだからだ」と語った。

「ご存じのように、彼はとてもスマートなテニスプレーヤーに間違いない」 (c)AFP/Martin PARRY