【2月20日 AFP】20日に行われる全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2021)の女子シングルス決勝で、通算4度目の四大大会(グランドスラム)優勝を目指す大坂なおみ(Naomi Osaka)は、誰も敗者のことは覚えていないとして、自分はその一人になるつもりはないという決意を示している。

 23歳の大坂がメルボルンパーク(Melbourne Park)で2個目のトロフィーを手にすれば、セレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)がかんしゃくを起こして永遠に記憶される悪名高き試合となった2018年の全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2018)決勝でグランドスラム初制覇を果たして以降、自身が出場したメジャー大会のうちの半分を制することになる。

 18日に行われた準決勝で大坂がセレーナを倒したことは、39歳のベテランがまたしてもグランドスラム史上最多記録に並ぶ通算24度目の優勝を逃した上に、世代交代が起きているという周囲の見方を強めるものになった。大坂は若手選手の急先鋒(せんぽう)で、精神的にも成長を遂げて最も高い重圧の中でも勝ち抜けられるという新たな一面を発揮している。

 大会第3シードの大坂は、第22シードのジェニファー・ブレイディ(Jennifer Brady、米国)との決勝に向けても警戒を怠らず、「誰も準優勝の選手のことなど覚えていないという気持ちを持っている」とすると、「これまで決勝では全力で戦っている。それが、自分を際立たせる部分だと思っている」と語った。

 一方のブレイディは、大会前にホテルの部屋に閉じ込められて練習もできないという14日間の厳しい隔離期間を強いられ、これが初めてのグランドスラム決勝進出となっており、大坂勝利が大方の予想となっている。

 両者は7年前のジュニア時代に米フロリダ州の大会で初対戦し、このときはブレイディが勝利している。その後は大坂が2連勝を記録しており、特に最後の直接対決となっている昨年の全米オープン準決勝はまさに名勝負で、ライバル関係は新たな高みに達している。

 神経戦となったフラッシング・メドウズ(Flushing Meadows、全米オープン)での一戦は大坂が7-6(7-1)、3-6、6-3で競り勝ち、コロナ禍で中断した2020年シーズンの中でもベストマッチとの呼び声が高かった。同選手はこの試合を振り返り、「これまでプレーした中でも、上位二つに入るかもしれない」とすると、「とても厳しい時期を過ごしているときに、いくつかの試合を思い出している。あの試合のことは何度も思い起こす」と語った。

 当時よりも自分のプレーが鋭くなったと確信している大坂は、強烈なサーブが武器のブレイディの動きを鈍らせるにはそれが不可欠だとしている。棄権した試合を除いて連勝記録を20に伸ばしている同選手は、「今はひと味違うプレーができている」とすると、「リターンが良くなっていると思う。あの試合をすべての基準にすることはできなくても、かなり参考になっているのは間違いない」と語った。

 これまで4回戦まで勝ち進んだグランドスラムでは一度も負けていない大坂は、キャリア最初のメジャー決勝4戦で全勝するという、女子ではモニカ・セレシュ(Monica Seles)氏以来の快挙を目指している。(c)AFP