【2月19日 AFP】中国人民解放軍は19日、昨年6月にヒマラヤ(Himalaya)の国境地帯で発生したインド軍との衝突で死亡した兵士4人の名前を公表した。中国が自国側に死者がいたことを認めたのは初めて。インド政府は、少なくとも兵士20人が死亡したことを発表している。

 中国国防省は、係争地ガルワン(Galwan)渓谷で発生した「外国軍」との衝突で、兵士4人が「自らの命を犠牲にした」とし、具体的な国名は挙げなかった。国防省は、大隊指揮官1人と兵士3人に死亡叙勲を授与した。

 インドと中国は1962年、チベット(Tibet)に隣接するラダック(Ladakh)地方の国境をめぐり衝突。以後も国境が正式に合意されることはなく、相手側が国境侵犯を企てていると非難の応酬を繰り広げてきた。

 昨年6月中旬にはガルワン渓谷で激しい戦闘が発生し、インド軍兵士20人が死亡。過去数十年で最悪の事態となった。

 中国政府は、衝突で死者が出たことは認めていたが、中国軍兵士が死亡したかどうかには言及していなかった。

 両国は先週、国境地帯から「撤退」することで合意したと発表した。(c)AFP