【2月20日 AFP】セレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)が全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2021)の女子シングルスで準決勝敗退に終わり、ロッド・レーバー・アリーナ(Rod Laver Arena)の観客から感動的な送り出しを受けた際、メルボルンパーク(Melbourne Park)では一つの疑問が浮かんだ――彼女は戻ってくるか?

 セレーナは準決勝で自身を破った大坂なおみ(Naomi Osaka)がまだ赤ん坊だった1998年から全豪オープンに出場し、オープン化以降の女子シングルス最多記録となる通算7度の優勝を果たすなど大会を支配してきた。

 しかし、四大大会(グランドスラム)通算23回優勝のチャンピオンが、スタンディングオベーションに立ち止まって応え、胸に手を当てながら通路に消えていった後、その心痛に気付かなかった人は少なかった。

 39歳のセレーナは、直後の会見で「実質別れを告げていた」のではないかと聞かれると、「分からない。もしお別れを言うにしても、誰にも言わない」と話し、涙を流して退席。さらに、自身のインスタグラム(Instagram)アカウントでも、さらなるヒントを示すかのように「皆さん一人一人に一生感謝する。アイラブユー、アイラブユー、アイラブユー。大好き」と感情的なメッセージを投稿した。

 豪メディアは、セレーナが通算8度目の全豪制覇に向けて戻ってこないことを受け入れるような記事を掲載している。有力紙エイジ(The Age)は、「オーストラリアは、セレーナ・ウィリアムスの最後の姿を目撃したのか?」と報道。日刊紙オーストラリアン(The Australian)は、「サヨナラ、セレーナ? 涙の退席が最後を物語っている」と伝えた。