【2月19日 Xinhua News】中国では2020年の各都市の域内総生産(GDP)が相次いで発表され、1兆元(1元=約16円)超えを果たした都市はすでに23にのぼっている。GDPの躍進には「新経済(ニューエコノミー)」のけん引力が大きな役割を果たした。一部の重点都市は新たな発展計画を準備している。

 各地の統計局のデータによると、GDPが1兆元を超えた都市は20年、23都市に増えた。トップ5は上海、北京、広東省(Guangdong)深圳(Shenzhen)、同省広州(Guangzhou)、重慶(Chongqing)でいずれも2兆元を超えた。江蘇省(Jiangsu)蘇州市(Suzhou、地級市)のGDPは初めて2兆元を突破、同省南京市は初めてトップ10入りした。全国9カ所の国家中心都市(北京、天津、上海、広州、重慶、四川省成都、湖北省武漢、河南省鄭州、陝西省西安)のGDPはそろって1兆元を超えた。

 経済の規模が拡大すると同時に、発展の質も向上している。専門家の分析によると、多くの都市でGDPが躍進を遂げる中、経済の新原動力の役割がより際立ちつつある。

 光大証券チーフマクロエコノミストの高瑞東(Gao Ruidong)氏によると、中国では20年、新型コロナウイルス感染症の影響と複雑な外部情勢を前に、各地方が新たな発展理念を堅持し、産業の構造転換と高度化を推進した。多くの地方が先進製造業や情報産業などの新経済産業の発展に取り組み、深圳市と蘇州市の電子機器製造業の総生産額は1兆元を突破し、成都市の電子情報産業も1兆元を超え、杭州市(Hangzhou)のデジタル経済コア産業の付加価値生産額は13・3%増の4290億元に達した。

 一部の都市はすでに新たな発展計画を打ち出している。南京市(Nanjing)は今後5年間の目標として①科学技術産業革新センターを完成させる②ハイテク企業数を2万社に増やす③一定規模(年商2千万元)以上工業企業の生産額に占めるハイテク産業の割合を54・5%に高める④研究開発費総額のGDP比を4・0%前後とする──などを掲げた。

 上海市は世界的な影響力を持つ国際デジタル都市の建設加速を図る。杭州市は全国デジタル経済のトップ都市を目指すとし、今後5年間でデジタル経済コア産業の本業売上高を2兆元以上、同産業の付加価値生産額の対GDP比を30・0%以上とするとの目標を掲げた。(c)Xinhua News/AFPBB News