【3月1日 AFP】2月1日のクーデターでミャンマーの実権を掌握した国軍は、鉱業から金融、石油、農業、観光業まで、国内経済の広い領域で既得権益を有している。そこから生じる巨大かつ厳重に守られた資産は、米国による制裁の対象となってきた。

 軍事クーデターによる民主化運動指導者アウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)国家顧問の追放と、それに続く抗議デモに対する弾圧を受けて、国際的な制裁を求める声が高まっている。

 だが、たとえ制裁が科されてもなお、ミャンマー軍上層部は背後に広がる複数の企業グループからもたらされる莫大(ばくだい)な富を手にできると専門家筋はみる。

 ミャンマーの自由と正義のために闘う同国の運動団体「ジャスティス・フォー・ミャンマー(Justice For Myanmar)」の報告書によると、謎の多い2つの国軍系巨大企業、ミャンマー・エコノミック・ホールディングス(Myanmar Economic Holdings LimitedMEHL)とミャンマー経済公社(Myanmar Economic CorporationMEC)を通じて、国内の少なくとも133社が全面的または部分的に軍幹部の監督下に置かれている。

 これら不透明な企業グループの影響力は、ビールやタバコ、運輸、繊維、観光、銀行など多様な分野に及んでいる。中でも莫大な利益を生み、おおむね規制がないヒスイやルビーの取引の大部分は、国軍系企業によって支配されている。

 ミャンマーは世界最大のヒスイ産出国で、取引額は年間数十億ドル(数千億円)に上ると推定される。だがこの天然資源による膨大な利益のうち、国庫に入るのはごく一部だ。最高品質のヒスイは、国境を越えて中国へ密輸されていると考えられている。

 災害による被害の多いヒスイ産業は2011年以降、「軍部エリートと麻薬密売組織のボス、および彼らの取り巻き連中のネットワークによって支配されている」と、国際NGO「グローバル・ウィットネス(Global Witness)」は指摘する。

 ヒスイ採掘のライセンスを最も多く保有していると報じられているMEHLの子会社、ミャンマー・インペリアル・ジェイド(Myanmar Imperial Jade)は、11日に米国が制裁対象としたミャンマーの宝飾関連企業3社の中の一つだ。