【2月18日 AFP】英ロックバンド、ビートルズ(The Beatles)のアルバムジャケット写真で有名なアビイ・ロード(Abbey Road)など、ロンドンで実際に使用されていた通り名が記された標識のオンライン競売が17日に始まり、英国好きやビートルズ・ファン、コレクターの注目を集めている。

 2週間の競売に掛けられているのは、道路名標識のコレクション約270枚。ビートルズがよく収録に使っていたスタジオの前の通りで、同名アルバムのジャケット写真に使われたことで世界的に知られるようになったアビイ・ロードの標識は、予想落札価格が5000ポンド(約73万4000円)を超えている。

 この他、注目の標識には、ハイドパーク(Hyde Park)に面した高級街ナイツブリッジ(Knightsbridge)の通りプリンシズゲート(Prince's Gate)や、娯楽・商業地区ウエストエンド(West End)のテムズ川(River Thames)近くにある通りサボイプレース(Savoy Place)などがある。

 競売主催者のキャスリーン・サウソン(Catherine Southon)氏は、アビイ・ロードの標識について「道路標識界における王の中の王」だと指摘。いくらの値が付くかは「天井知らず」だと語った。価格は、入札開始から数時間で1110ポンド(約16万3000円)に達している。

 コレクションの出品者はロンドン中心部の大半を管轄するウェストミンスター区議会(Westminster City Council)で、競売の売り上げは市民サービスに還元すると約束している。

 通りの名前が黒字で、郵便番号が赤字で記されたロンドンの道路名標識のデザインは、1967年に建築家でデザイナーのミーシャ・ブラック(Misha Black)氏が、ウェストミンスターの議会のために手掛けたもの。著作権法に基づき、ロンドン以外では世界中のどこでも使用できないことになっている。

 メルビン・カプラン(Melvyn Caplan)副区長は先月、競売についての発表で、全てロンドン市内の通りで最近まで使われていた標識で、誤植のあるものや、文化的・政治的な歴史的瞬間を刻む落書きが残っているものもあると説明していた。

 映像は16日撮影。(c)AFP/Anna MACKENZIE