【2月18日 AFP】米東海岸のカジノ都市アトランティックシティー(Atlantic City)で17日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)前米大統領がかつて所有していた元カジノ施設がダイナマイト3000本で爆破解体された。

 午前9時(日本時間同日午後11時)すぎに起爆ボタンが押されると、かつてトランプ氏のカジノ帝国の中核として栄華を誇った「トランプ・プラザ・ホテル・アンド・カジノ(Trump Plaza Hotel and Casino)」は、ものの数秒でがれきの山と化した。

 トランプ氏は同市に4つのカジノを所有していた。1984年にオープンしたこの2棟の複合施設はトランプ氏が初めて市内に所有した物件だが、営業終了後は放置状態で、暴風雨により外壁の一部が建物の横を通る海岸沿いの遊歩道にたびたび落下していた。

 同施設の所有権は2016年から、トランプ氏のカジノ事業の最大の支援者の一人だった富豪のカール・アイカーン(Carl Icahn)氏に移っている。同氏は、建物解体後の土地の用途を明らかにしていない。

 アトランティックシティーのマーティー・スモール(Marty Small)市長は、トランプ・プラザによって地元住民が危険にさらされていると判断。司法手続きを取った上で、昨年6月に爆破解体の方針を明らかにしていた。

 トランプ氏は、放置状態の同施設の存在が自分の名声やブランド力を傷つけると考え、2014年に壁面から自身の名前を取り外すよう求めて訴訟を起こしている。

 トランプ氏がアトランティックシティーに所有していた4つのカジノのうち、「トランプ・ワールズ・フェア(Trump World's Fair)」は1999年に閉店し、「トランプ・マリーナ(Trump Marina)」は2011年に債権者団によって売却され、最後に残った「トランプ・タージマハール(Trump Taj Mahal)」も2016年に営業を終了。

 運営会社トランプ・エンターテイメント・リゾーツ(Trump Entertainment Resorts)は2004年、09年、14年の3回にわたって連邦破産法11条の適用を申請し、負債を削減している。

 映像は17日撮影・提供。(c)AFP