【2月18日 AFP】欧州人権裁判所(ECHR)は17日、ロシアに対し、同国で収監されている野党勢力指導者アレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏(44)の釈放を求めた。生命への危険に言及したが、ロシアは直ちに拒否した。

 ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領批判の急先鋒(せんぽう)で、神経剤の毒を盛られ数か月間ドイツで治療を受けたナワリヌイ氏は、1月にドイツからロシアに帰国した際、拘束・収監された。毒殺未遂事件の首謀者がロシア政府だと主張しているナワリヌイ氏は、収監から数日後の1月20日、ECHRに対し、拘束され続ければ生命に危険があるとし自身の釈放を訴えていた。

 フランス北東部ストラスブールにあるECHRは17日、この訴えを認め、ロシア政府にナワリヌイ氏の「即時」釈放を求めた。この判断について「申立人の生命への、危険の性質と程度」を考慮したものと説明した。

 ロシア司法省はECHRの判断発表の直後に、この要求は「不合理かつ違法」で、ナワリヌイ氏を釈放する法的根拠はないと反発。コンスタンチン・チュイチェンコ(Konstantin Chuychenko)法相はインタファクス(Interfax)通信に、ECHRの要求は、ロシア司法制度の機能への「明確でまぎれもない介入」を示していると述べた。(c)AFP/Anastasia CLARK with Antoine POLLEZ in Strasbourg