【2月17日 AFP】(写真追加)ロシア国立ウイルス学・生物工学研究センター(ベクトル、Vektor)は16日、融解した永久凍土層から出土した動物の死骸を分析することで、先史時代のウイルスの研究を開始したと発表した。

【写真】ロシア・シベリアの永久凍土で採取された3万年前の巨大ウイルス(2015年)

 ベクトルは、このプロジェクトの目的について、太古のウイルスを特定し、ウイルスの進化に関する先端的な研究を行うことだと述べた。

 プロジェクトはヤクーツク(Yakutsk)の大学との共同研究で、4500年以上前のものと考えられる先史時代の馬から抽出された組織の分析から始まった。

 ベクトルによると、この馬の死骸は2009年、シベリア(Siberia)地方のヤクチア(Yakutia)で発見された。広大な同地方では、マンモスなどの旧石器時代の動物の死骸がたびたび見つかっている。

 研究チームはさらに、マンモスやヘラジカ、犬、げっ歯類、野ウサギなどの先史時代の動物の死骸も調査すると述べている。

 ヤクーツク大学マンモス博物館(Mammoth Museum)の研究主任マキシム・チェプラソフ(Maxim Cheprasov)氏は報道発表で、永久凍土層から出土した動物は、これまでも細菌研究に使われてきたが、ウイルス研究は今回が初めてだと述べた。

 ノボシビルスク(Novosibirsk)にあるベクトルは、天然痘ウイルスを保管している世界に2か所しかない施設の一つで、旧ソ連時代に生物兵器を開発していた。ここで開発された新型コロナウイルスワクチン「エピバクコロナ(EpiVacCorona)」は、昨年10月にロシアで認可され、今月下旬に量産開始予定となっている。(c)AFP