【2月17日 AFP】仏ソフトウエア大手サントレオン(Centreon)がロシアのハッカー集団からサイバー攻撃を受けたとみられる問題で、同社は16日、顧客の大手企業各社が被害を受けた可能性を否定し、サイバー攻撃に関する政府の発表に遺憾の意を示した。

 フランスの国家情報通信システム安全庁(ANSSI)は15日に発表した報告書で、サントレオン製ソフトがハッキングを受けていたと発表。同社の顧客には、航空機大手エアバス(Airbus)や石油大手トタル(Total)などの仏一流企業が含まれる。

 ANSSIによると、ハッキングは2017年から2020年にかけて発生。使われた手口は、ロシアの軍事情報機関と関係があるとされるハッカー集団「サンドワーム(Sandworm)」によるサイバー攻撃と類似していた。

 だがサントレオンは16日、ハッカーが侵入したソフトは、オープンソース開発者が使用している2015年以前の旧バージョンのみだったと説明。同社の広報担当者はAFPに対し、「商業ユーザーは影響を受けていない」とし、「オープンソース版ソフトのユーザーは、バージョンが2015年以降かどうかを確認すべき」だと述べた。

 また、ANSSIの発表は「甚大な損害」をもたらすものだと表明。今後、ANSSIに「説明」を求める意向を示した。

 ロシアはこれまでにも、西側諸国を対象としたサイバー攻撃を実施した疑いが繰り返し浮上しているが、ロシア大統領府のドミトリー・ぺスコフ(Dmitry Peskov)報道官は16日、サントレオンに対するサイバー攻撃にロシア政府が関与したとの見方を否定した。(c)AFP