【2月16日 AFP】ペルーで15日、新型コロナウイルスワクチンの抜け駆け接種問題をめぐりエリザベス・アステテ(Elizabeth Astete)外相が辞任したことを受け、ベテラン外交官のアラン・ワグナー(Allan Wagner)氏(79)が外相に就任した。ここ1年足らずで6人目の外相となる。

 ペルーではここ数日、政府高官らが新型コロナワクチン集団接種の開始よりも数週間~数か月前に接種を受けていた疑惑が報じられている。

 先週にはマルティン・ビスカラ(Martin Vizcarra)元大統領が昨年10月、中国医薬集団(シノファーム、Sinopharm)製のワクチンを接種していたと地元紙が報じ、ピラール・マツェッティ(Pilar Mazzetti)保健相が辞任した。

 ペルーは新型コロナワクチン30万回分を受け取っており、今月初旬から医療従事者の優先接種が開始されたが、一般市民の接種開始時期はいまだ公式に発表されていない。

 現地メディアは先週末、ソライダ・アバロス(Zoraida Avalos)検事総長が、ワクチンを正式開始前に接種した問題をめぐり、ビスカラ元大統領ら政府高官に対する「予備捜査」を開始したと報じた。

 一方、在ペルー中国大使館は、シノファームのワクチンの臨床試験はペルーの複数の大学で行われたもので、接種を受けた人々に関する情報はないと発表。「優遇ワクチンや寄付、特権」とするペルーメディアの報道を否定した。

 南米は現在、新型コロナウイルス流行の第2波に見舞われている。人口3300万人のペルーでの新型コロナウイルス感染者はこれまでに120万人以上、死者は4万3700人以上となっている。(c)AFP