【2月16日 AFP】2014年に韓国南西部の珍島(Jindo)沖で旅客船セウォル(Sewol)号が沈没した事故で、適切な救助活動を行わなかったとして業務上過失致死などの罪に問われた海洋警察庁の金錫均(キム・ソッキュン、Kim Suk-kyoon)元長官に対し、ソウル中央地裁(Seoul Central District Court)は15日、無罪を言い渡した。

 セウォル号沈没は300人以上の死者・行方不明者を出し、韓国史上最悪の海難事故の一つとされている。犠牲者の大半は修学旅行中の高校生で、その多くはセウォル号が徐々に沈む中、自室で待機するようにとの指示に従った。

 当時の朴槿恵(パク・クネ、Park Geun-hye)大統領は、事故当日に数時間連絡が取れなかったことが明らかになり、国民の激しい怒りを買った。

 ソウル中央地裁は、セウォル号の救助失敗で業務上過失致死などの罪に問われていた金被告と海洋警察庁の元幹部や現役幹部ら9人について、無罪を言い渡した。

 報道によると、判決は「被告らの行動について、業務上の過失があったと判断するのは難しい」としている。また、避難指示が出されており、それは「被告らに与えられた情報に基づく適切な指示」だったと指摘した。

 金被告は先に、事故について遺族に謝罪したが、業務上の過失については否定していた。(c)AFP