【2月16日 AFP】寒波の訪れているオランダで約3年ぶりに運河が凍結し、先週末は大勢のスケート愛好家が凍った川面を滑る貴重な機会を楽しんだ。ただ、転倒で病院に搬送される人も相次いだ。

 アムステルダム中心部の運河プリンセンフラハト(Prinsengracht)では、氷の厚さが十分とはいえない状況だったにもかかわらず、十数人がスケートに繰り出した。地元メディアによると、氷が割れて少なくとも1人が水に落ちたが、自力で安全な場所までたどり着くことができたという。

 運河沿いに立ち並ぶ風車群が国連教育科学文化機関(ユネスコ、UNESCO)の世界遺産(World Heritage)に登録されている西部キンデルダイク(Kinderdijk)でも、人々がスケートを楽しむ絵はがきさながらの光景が見られた。

 しかし、オランダの救急医療現場は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で既にひっ迫している。マルク・ルッテ(Mark Rutte)首相は、感染を拡大させるリスクと負傷者が医療機関にさらなる負荷をかける恐れがあるとして、集団でのスケートは控えるよう警告していた。

 オランダ国民にとってスケートは、サイクリングと同様に大切な文化の一つ。国民のほぼ全員が、運河が凍結した時に備えてスケート靴を用意しているといわれるほどだ。

 映像は運河沿いに立ち並ぶ風車群が世界遺産に登録されているキンデルダイクでスケートを楽しむ人々。14日撮影。(c)AFP