【2月14日 AFP】14日に行われた全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2021)の女子シングルス4回戦で、ガルビネ・ムグルサ(Garbine Muguruza、スペイン)を相手に土壇場からの逆転勝ちを収めた大坂なおみ(Naomi Osaka)が、「すごくストレスのたまる」試合だったと振り返った。

 大坂は最終セットの自身のサービスゲームで、ゲームカウント3-5、ポイントは15-40と敗退寸前まで追い詰められたが、そこから4ポイントを連取して生き延びると、さらに四大大会(グランドスラム)優勝2回の実績を持つムグルサのゲームを二つブレークするなど、4ゲームを連続で奪取。4-6、6-4、7-5の逆転で1時間55分の激闘を制した。

 40本のウイナーを決める一方、アンフォーストエラーも36本あった大坂は、試合後「すごくストレスのたまる試合だと感じていた。見ていて、私があまり乗れていないのに気付いた人もいると思う」と話した。

「自分でもその感覚はあまり好きじゃない。とにかく全てのポイントで戦って、それが何とか勝利につながった」

 今大会ここまで、世界ランキング1位に立った2017年のような強さを見せていたムグルサは、優勝候補の一番手とみられている大坂にとっても難敵だった。大坂は緊迫感の中で迎えた第3セットの第4ゲームではブレークポイントを生かせず、次のゲームで逆にブレークを許すと、いら立ってラケットをコートにたたきつける場面もあった。

「怒ってラケットをたたきつけるときは、頭の中の思考を吐き出すようなつもりでやっている。そうすることで、直感的なプレーが出やすくなった」

「ラケットを放り投げる自分はイヤだけど、同時に抱え込んだ感情や緊張感を解放できるとも感じている」

 大坂は準々決勝で台湾の35歳、謝淑薇(Su-Wei Hsieh、シェ・スーウェイ)とのアジア勢対決に臨む。謝は第19シードのマルケタ・ボンドロウソバ(Marketa Vondrousova、チェコ)を6-4、6-2で破り、35歳で初のグランドスラム8強入りを果たすという、オープン化以降では最年長の記録をつくった。

 型破りなプレーが持ち味で、抜け目のなさもある謝との対戦について、大坂は「楽しみではない」と認めている。謝とは優勝した2年前の全豪オープンでも3回戦で当たり、3セット目に持ち込まれた。

 それでも、グランドスラムを2回優勝している中国の李娜(Na Li、リー・ナ)氏に憧れて育った大坂は、アジア勢対決の重みと若い世代に与える刺激を理解している。

「誰か憧れの選手がいて、その人を目指して頑張っている小さい子にとっては、すごく重要な試合になると思う」

「私自身、小さい頃から李娜が本当に大好きで、今もそうだし、尊敬している。ちょっと笑わせてもらいたくて、彼女の試合後のインタビューなんかを見返すことが今もときどきある」 (c)AFP/Tristan LAVALETTE