■愛のスプーン

 英ウェールズには、また一味違った習慣が存在する。この地で愛を祝うのは1月25日。4世紀のウェールズの王女、聖ドゥインウェン(Saint Dwynwen)をたたえる日になっている。愛する人と結ばれなかった聖ドゥインウェンは、宗教に慰めを求めて修道女になり、人々が真実の愛を見つけられるように祈りをささげたとされる。

 ウェールズには、彫刻の施された木製の「愛のスプーン」を恋人同士で交換するか、求婚する相手に渡す風習もある。

■女子会を楽しむギャレンタインデー

 バレンタインデーの商業化が始まったのは、大量生産されたグリーティングカードが登場した19世紀中ごろの米国だ。業界関係者は、バレンタインデーの慣習を恋人以外にも広げることをすかさず思い付き、今では、米国の学校に通う子どもたちは、クラスメートの全員に宛てたバレンタインの手紙を持ってくることが慣例となっている。

 米国のバレンタインデーは現在、約200億ドル(約2兆1000億円)の市場規模に成長しており、「ギャル(女の子)」同士でワッフルを食べに行く「ギャレンタインデー」と呼ばれるイベントも誕生している。

■チョコを渡すのは女性から

 日本におけるバレンタインの習慣は、第2次世界大戦(World War II)後に始まり、菓子メーカーが、2月14日を女性が上司や男性の恋人にチョコレートを渡す日にすることを考案した。

 半世紀がたった今、この習慣は恒例行事となっており、日本では毎年、数百万人の女性が好きな人や友達、職場の上司や先輩にチョコレートを贈っている。

■公共の場ではNG

 一方、パキスタンやインドネシア、マレーシア、そしてサウジアラビアなどのイスラム圏の国々では、バレンタインデーを祝うことはあまり快く思われていない。

 バレンタインデーが人気行事となっているイランでも、おおっぴらに愛情表現をすることはできず、ハートの形をした風船が売り出されるのも、伝統を重んじる層からは白い目で見られている。(c)AFP/Olivier THIBAULT