【2月13日 AFP】国連教育科学文化機関(ユネスコ、UNESCO)は、世界的に科学の分野で女性が依然として深刻な性差別に直面していることを示す報告書を発表した。男女平等に関しては、一部の欧米の富裕国は貧困国に大きく後れを取っている。

 ユネスコは10日、4月に全編が発表される「サイエンス・レポート(Science Report)」の抜粋を公開した。それによると、技術革新の最中にある分野の大半で技能が不足しているにもかかわらず、女性は工学系の学位取得者の28%、コンピューターサイエンスと情報科学では40%にとどまっている。

 また、主に富裕国が占める経済協力開発機構(OECD)の加盟国は、工学系の学位取得者に占める女性の割合が世界平均を下回っており、フランス26.1%、オーストラリア23.2%、米国20.4%、韓国20.1%、スイス16.1%、日本14%となっている。

 ユネスコは明確な地域パターンを特定していないが、女性の工学系の学位取得者の割合が高いのはアラブ諸国で、アルジェリア48.5%、チュニジア44.2%、シリア43.9%、オマーン43.2%、モロッコ42.2%だった。

 中南米も割合が高く、ペルー47.5%、ウルグアイ45.9%、キューバ41.7%となっている。

 国連(UN)で11日に開催された「科学における女性と女児の国際デー(International Day of Women and Girls in Science)」に合わせて報告書の抜粋を発表したユネスコは、「全体として、女性研究者は(男性に比べて)キャリアはより短く、賃金はより低い傾向がある」と指摘している。(c)AFP