【2月12日 AFP】東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(Tokyo Organising Committee of the Olympic and Paralympic Games)の森喜朗(Yoshiro Mori)会長(83)が12日、女性差別発言をめぐって高まっていた圧力に屈して即時の辞任を表明した。しかし、同氏が望んでいる次の会長候補について反対意見が出たことにより、後任人事ははっきりとしていない。

 発言を審議するため評議員や理事らを招き行われた臨時会合で、森氏は「今回、私の不適切な発言が原因で大変混乱させてしまいました。誠に申し訳ない」と謝罪すると、「きょうをもちまして会長を辞任いたそうと思っております」と述べた。また、「大事なことは、オリンピックをきちんと7月に開催することで、その準備に私がいることが妨げになってはならない」と強調した。

 森氏は当初、スポーツ界の重鎮としてよく知られている川淵三郎(Saburo Kawabuchi)氏(84)を後継者に指名したとされていたが、人事は混乱をきたしている。

 元サッカー選手である同氏は、報道陣に対して新しい職務にベストを尽くすと述べており、後任への移行は決まったかに思われていた。しかし、またしても80歳代の高齢者が選ばれたプロセスが森氏の意向であることから、すぐさま反対の声が上がった。

 ツイッター(Twitter)上では、「#川淵氏の会長就任に反対します」のハッシュタグが国内でトレンド入りしており、橋本聖子(Seiko Hashimoto)五輪相も、「まだ何も決まっていない状況」と強調した。

 この日午後には、後任人事に関して政府から組織委に圧力がかかっていると報じられ、川淵氏が要請を断る決断を下したという近しい情報筋の話も伝えられた。

 映像は会長辞任を表明した森氏。12日撮影・提供。(c)AFP