【2月26日 AFP】速くもなくワイルドでもないが、日本のクラシックカー愛好家らにとって、クラシックカーのなめらかなラインと輝きにはたまらない魅力がある。

 古い車のコーティングやアメリカのパトカーなど特殊な車両のレンタルサービスを営む和田裕之(Hiroyuki Wada)さん(49)は、10人ほどの愛好家たちとほぼ毎週末都心に集まり、キャデラック(Cadillac)やシボレー(Chevrolet)をはじめとする20世紀半ばから後半にかけての車を披露する。

 彼らは和田さんのチャリティー仲間。数年前のクリスマスから、サンタクロースの衣装を身に着け子どもたちにミニカーを配っている。

「一回乗るたびに心が高揚する。そういう車ってなかなかないと思う」。メンバーの一人、磯貝政宗(Masamune Isogai)さん(46)は愛車、ポンティアック・トランザム(Pontiac Trans Am)について語る。1980年代の人気テレビシリーズ「ナイトライダー(Knight Rider)」に登場し、有名になった車だ。

 磯貝さんは運転席をコックピットと呼ぶ。ドラマに登場したAI搭載車さながらの車内には、未来的な表示装置や光るボタン、大きなゲームコントローラーのようなハンドルがある。

 愛好会メンバーが所有する車の中でも古いのは、1941年式のキャデラックと、フレームからレストアした1929年式のフォード(Ford)・モデルA(Model-A)だ。

 和田さんは、自身が所有する1959年式の赤いキャデラック・クーペドゥビル(Coupe de Ville)の隣でこう語る。「特徴的な形が大好きです。今の車は、みんな同じ形でしょう。でも昔の車は一台一台個性がありますから」

 近年の日本の車は燃費が良くコンパクトで、故障しにくい実用的な仕様で知られる。愛好家らの手のかかるクラシックカーとは対照的だ。

「年を追うごとに手のかかる車が好きになっていく。どうしても若い時は、エンジンをかけてさあレッツゴーというのがいいのですけれど」と和田さん。「古い車は10分くらいエンジンをかけて、温まってからスタートする。手間がかかるのが好きになってくるのが、クラシックカーの魅力でしょうね」 (c)AFP