【2月12日 AFP】中国政府を声高に批判してきたマイク・ポンペオ(Mike Pompeo)前米国務長官が、保守派を招待した夕食会で、記念品として中国製のペンを配っていたことが分かった。市民団体が11日、発表した。

 市民団体「ワシントンの責任と倫理を求める市民(CREW)」は、米国の情報公開法である「情報自由法」に基づき入手した記録を公開し、ポンペオ氏の在任中に国務省が、特注のペン400本に少なくとも1万433ドル(約110万円)を支出していたことを明らかにした。

 ペンには、ポンペオ氏が税金を使って開催した夕食会「マディソンディナー」のロゴが刻まれていた。この会に招待された共和党の重鎮の多くは、取り沙汰されている通りポンペオ氏が大統領選に出馬する場合に助けとなる人々だ。

 同団体が公開した文書によると、ある企業の代表者が国務省の職員に対し、「(特注のペンは)中国からシカゴのハブ空港に運ばれる」と述べ、「税関の問題などで、中国の施設から顧客に直接送ることはできない」と説明した。

 ポンペオ氏は、自身の出世のために国民の血税を使っていると批判されており、米国の建国の父で国務長官を務めたジェームズ・マディソン(James Madison)にちなんで名付けられたマディソンディナーは注視されていた。

 ポンペオ氏側は、これまで本件についてコメントしていない。

 対中強硬路線を重視するポンペオ氏は11日、ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領と中国の習近平(Xi Jinping)国家主席の初の電話会談の後、「(米国は)中国に対する厳しい態度を維持しなければならない」とツイッター(Twitter)に投稿した。

 ポンペオ氏は昨年の演説の中で、過去の米政権の中国に対する経済・外交政策を批判。中国の貿易政策について「米国の雇用を失わせ、全米の経済に大打撃を与えるもの」と警告していた。(c)AFP